夏の記憶―入道雲
夏…といえば、思い出すものがいろいろとありますが、そのうちの一つが入道雲です。
正しくは積乱雲。
うーん、やはり入道雲のほうがぴったりって感じがします。
入道雲とは、入道に似ているための名称ですが、では「入道ってなに?」ってなりませんか?
入道とは、
世俗を捨てて仏道に入ることをいう。出家と同意。このような人を入道人、入道者というが、省略して道人(どうにん)とか入道ともいわれる。また、日本では、寺に入り僧となった人を出家というのに対し、在家のまま剃髪(ていはつ)染衣し、仏道を求める人を入道ということが多く、敬称として用いられている。転じて、坊主(ぼうず)頭の人、坊主頭の妖怪(ようかい)をもいう。
[由木義文]
本来は、「仏道に入る」から「入道」なんですね。
でも現在では、「転じて、坊主(ぼうず)頭の人、坊主頭の妖怪をもいう」の意味のほうが使われている気がします。
というわけで、入道雲とは、「坊主頭の妖怪みたいな雲」ということになりますね。
空に聳え立つ巨大な妖怪となれば、それも夏にふさわしく思えます。
その入道雲は高温多湿な日に発生しやすいそうです。
だから夏の午後に見かけることが多いのですね。
このところの夏は毎年暑さが増していくような気がしますが、それでもセミの声を聞いたり、空に沸き立つ入道雲を見たりすると、子供の頃の夏を思い出して、感傷的になったりします。